もちろんモダン・ジャズである。
スタンダード・ナンバーを数曲こなした後の熱気とノリ。突然ベースが踊り出し、ピアノがかぶさっていく。それをドラムが支え、サックスが味をつける。お互いがお互いを抑えることなく、ピアノが前に出るときにはピアノを、ベースが仕切るときにはベースを生かす。それぞれのハートが調和を保ちながら、自由に、そして自在に曲をかもし出す。
自然な流れで独創的な曲を作り出せるのは、メンバー相互の力と信頼感である。コンダクターは一人ではない。時に応じて有機的に変わっていく。
一人ひとりが、自覚を持ち、実力を発揮することで、自分の音を創り出す。
その自在な自己表現の「場」がトイである。
最初は、本当に小さな音かもしれない。しかし、やがて確実に曲想を変えてゆくだろう。