株式会社 トイ 東北本社では、北東北県民(青森・岩手・秋田)のデジタル人材育成を目的として、オンラインによるWEBシステム開発の無料学習講座「愛瀰詩塾」を開講しました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)時代と言われる今、システム開発のスキルを身につけることは、単に職業としてだけではなく、自らの夢の実現や地域の課題、社会問題を解決することにもつながります。ハードスキル(技術的な能力)と、ソフトスキル(対人能力・変革・企画能力)を身につけるため、各分野の第一線で活躍する専門家も講師にお呼びし、分野横断学習を行います。
システム開発は男性の職業というイメージがありますが、しかしそれは先入観や思い込みといったステレオタイプによって作り出された性別職域分離とも言えます。例えば、「女性だから数学が苦手」「女性は論理的ではなく感情的」というのはどれも科学的に証明されていません。
実際、男女の性差イメージなしで行った数学のテストでは、数学成績に差は見られませんでしたが、男女の性差イメージありで行ったテストでは、女性の成績が男性に比べて低い結果となりました。このような成績低下は実際に数学能力が高いことが証明されている女性(数学科に所属する女子学生)などにも生じることが指摘されており、「ステレオタイプ脅威による成績低下」現象としてよく知られています。
社会等に形成されたステレオタイプによって、女性がそれらの領域や職業を不得意と思い込み、本当は自らの夢を実現するのに手っ取り早いシステムという道具であるにも関わらず、その魅力を低下させてしまっていると考えられます。(個人的には「女性は大学院なんかに行くと完全に負け組になるよ」など、女性の能力を認めたくない嫉妬社会、女性(他者も含め)をコントロールしようとする家父長制度の根深さを感じます。女性の管理職が少ないのも家父長制度的思考や男性の支配欲求が影響しているのかも知れません。)
男性優位という思い込みに根ざした論理的思考によって作られたシステムは、しばしば一方的な要求を押しつけ、ユーザーにストレスを与えてしまいます。このような思考の人は、根拠のある予想が苦手で関係づけができていないため、使い手側のデジタル・リテラシーに問題があると考えてしまう傾向があります。
面倒なこと、複雑なこと、難しいことでも簡単に『できた!』と思わせるのが、本来のデジタル社会です。 しっかりとした「論理的思考」に加え、個別に起こりそうな特定の関連性を導き出す「物語的思考」が重要です。 求められるのはコミュニケーション能力と言語能力の高さ、経験を整序し現実を構成する物語的思考こそDX時代に必要とされる資質です。
社会や生活の構造転換が進むなか、システム開発のあり方も再定義する時代になったのかも知れません。
愛瀰詩塾では「難しいを簡単に! 簡単を深く! 深くを楽しく!」をモットーにしていますが、まだまだステレオタイプから抜け出せない、教えることが不得意な現場のエンジニア達が講師を務めるということもあり、はっきり言って難しいです。 途中でくじけたとしても諦めず、次回の講座に再挑戦してみてください。講師のエンジニアと共に成長してまいりましょう。
塾長 戸田智雄
公開をお楽しみに